「百年法」の感想・評価

不老不死を実現した人間社会。ただし不老不死状態で100年経つと法律で死ななければならない──という設定がおもしろそうだったので衝動買い。
個人的には「不老不死を望む」という価値観にまったく賛成できなかったので、かなり冷めた目線で読みました。

そうして読み始めてみると、設定の、特に細かいところがだいぶ甘いように見える。SFに片足を突っ込んだ世界観なのでなおさらそう見える。しかしそこを詰め込みすぎてしまうと説明や描写にスペースを取られてしまうので、わざとそうしたようにも思います。

結論からいうと総合的には間違いなくおもしろいんですが、最初がやや冗長で、あまりおもしろくない。最後はかなりおもしろい。読み終えてみると、序盤の冗長な部分も結末にしっかりと絡んでいるのが好印象。
クセのない文章なのですらすらと読めるんですが、そうでなければ最初で投げ出す人もいるかも知れません。手に取った人は最後まで読んでみるべきです。

主人公格の登場人物が何人か(最終的には二人?)いるんですが、それらはまったく関係のないところでスタートしながらも最終的にはがっちりと絡み合います。こういう展開が好きな人は多いはず。おまけにそこまで複雑な絡み方をしないのですらすら読める。浅く読んでも深く読んでもおもしろい作品だと思います。

唯一の不満点を挙げるとすれば、敵がショボすぎたこと。
まあ別に少年向けバトルマンガというわけでもないから大きな不満ではないんですけど。

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