ちはやふるの感想・評価

 ★★★★☆

 

末次由紀 著のかるたマンガ。かるたというスポーツを扱ったスポーツマンガ。恋愛という少女マンガっぽい軸もしっかりあるんですが、それよりもスポーツマンガとしての要素の方が圧倒的に多いです。

最近、それまで読んでない巻を読むために最初から読み直したんですが、ちゃんと伏線というか順序立てて仕掛けられてますね。最初読んだときは「クズだった太一が真人間になってる」「かなちゃんがいきなり爆乳属性になった」と思ってましたが、太一は千早をずっと好きだったからだし、かなちゃんに関しては普通に最初から描写されてました。どんだけ読解力と集中力ないんだよ自分って話。

この作品の最大の特徴は、主人公の千早を筆頭に、味方サイドの強キャラがどんどん負けるということ。おかげで話が読めなくて楽しいんですが、そのせいで話が冗長になっている面もあるので、もしかしたら結構評価が分かれるポイントかもしれません。

あと魅力としてあげられるのが、脇役にもしっかり見せ場があるところ。かなりキャラ数が多い作品だと思うんですが、そこは本当に素晴らしい部分です。女作者ってそこが下手な人が多いんですよね。書ききれない分のキャラを思いつきで出して消化不良でどっかいってしまう、最悪の場合作品自体が破裂してしまうというのが結構ある気がします。

中でも好きな脇役なのは肉まんくんです。友達の恋の手助けをするシーンが最高にかっこよかった。かるた部分では見せ場がないのがちょっと不憫。机くんは序盤のデータ収集が見せ場だった以降は縁の下の力持ちてきな存在でちょっと落ち着いたかな? かなちゃんは終始セリフが多い分、これといった見せ場はなし。びっくりしたのがヒョロ。まさかあんないい感じの役になるとは思わなかった。須藤さんは敵役らしく性格の悪いシーンが多いですが、読手まで真面目にやってしまうあたり、本当にかるたが好きな感じが出てて憎みきれないところがある。準レギュラーからモブまで、結構胸糞シーンも多いんですが、準レギュの胸糞キャラは全員? 改心する感じ。菫とかその典型。

 太一と新が真剣勝負をする下りはかなり感動しました。もうそこで終わってもいいんじゃねーかと思ったくらい。既刊41巻、まだ続きそうですが42巻からはおそらく名人戦+クイーン戦が始まるので、そこが終わったらどうなるのかというのがすごく待ち遠しいです。

 

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